口癖が与える自分と周りへの影響とは?

連休明けや季節の変わり目は、何かと疲れやすくなったり、憂鬱な気持ちになってしまうことも。
まず、勘違いしてはいけないのは、ホルモンバランスや体内環境などの様々な原因が絡んで起こるためであって、『怠け癖』や『メンタルが弱い』わけではないということです。
体を休ませたり、整える方法はたくさんありますが、今回はこういった精神状態の時にポロってしまう【口癖】に焦点を当ててみたいと思います。
よく【しぐさ・行動は心理をあらわす】なんて言われますが、逆にそのしぐさや行動をとると心理状態に影響することも知られています。例えば他の人の口癖で『嫌だなぁ』と思うものを思い出してみてください。それを口に出してみると、自分の心理にちょっとした変化が起こるのを感じないでしょうか?
もしかしたらそれは『その口癖を放った人と同じ気持』なのかも知れません。

人は他者と共感することで順応していこうとすることがよくありますが、その共感するための心理状態を感じるために、しぐさや行動そして【口癖】を参考にしています。
つまり、逆を言えば口癖ひとつでも、自分と他人の心理状態に影響を与えられるということです。


嫌われる口癖からみてみよう

まず、『嫌われる口癖』から、その影響をみてみましょう。
分かってます(分かってるって)

他人:注意を受けた時などの返答で嫌われやすい。改善するための歩み寄りに素直さを感じさせない。
自分:自分の考えに一部固執してしまっている状態。孤立型。

なるほど

他人:関心がない、同意するフリにしか見えない。
自分:考えの譲歩がなく、相手を低く見てしまいかねない。距離型

っていうか

他人:ゆるい否定と不満。だいたい内容が変わってない。
自分:会話の相互関係が見えなくなる。愚痴っぽくなる。自尊型

私って○○じゃないですか

他人:ゆるい否定形からの陶酔。特に聞きたくない。
自分:発展や可能性が見えなくなる。欠点が見えなくなる。ナルシス型

要するに

他人:会話能力の否定。上から目線に感じる。
自分:感応が下がる。立場を間違えやすくなる。自縛型

どうせ私なんて

他人:慰めの要求。会話に乗らせる手間がかかる。
自分:内実は否定的。自尊心をくすぐられないと不満になる。自傷型

だって…/べつに…

他人:拗ねているようにしかみえない。要救助者。
自分:相手への依存。距離感が見えなくなる。SOS型

よくあるものを大まかに分析してみましたが、確かにうざ(略)
どうやらポイントは会話に左右されず、いかに『自分の立ち位置を考えられるか』のようです。


愚痴をポジティブに言い換え

会話の中で自分の立ち位置を見失うと、それが上であっても下であっても、『否定的・不満』な心理状態になりやすくなります。同様に、周囲からもそれを感じ取られているようです。
しかし、なかなか口癖を『言わないようにする』のは難しいもの……。
そんな時は『言い換えて』しまった方が、反射的な口癖に対応しやすかったりします。
疲れた……】⇒【ハァ、頑張った
何となくつぶやいてしまいがちなこの言葉も、【疲れた】という現状への愚痴から、【頑張った】という自己肯定に置き換えて見てください。
その他にも、よく【ありがとうをたくさん言おう】という考え方がいろんなところで言われてますが、スピリチュアルだの言霊だのの前に、実は【ありがとう】は非常に多くの意味合いを持った便利な【あいづちライブラリ】みたいなものです。
例えば上記の【分かってるって】を【ありがとう】に変えた場合、
変更前:A『~~って感じにしたら?』 B『わかってるよ、でも~~なんだよ』
変更後:A『~~って感じにしたら?』 B『ありがとう、でも~~なんだよ』
口に出して比べてみてください。【ありがとう】に言い換えようとすると、前後の言葉のニュアンスを緩める必要が出てきます。そして、会話をしているお互いも、周囲からの印象もちょっとだけ柔らかくなりそうです。意外とこの『ちょっとだけ』が馬鹿にできなかったりします。
同時に『前後の言葉のニュアンスを緩める』感覚が、脱力する感覚に似ているので、『ちょっとだけ』現実の受け取り方が軽くなったりすることも。

環境によっては、思い切ってゲーム感覚で宣言して周囲を巻き込むもおすすめです。
『はいそこ、疲れたってゆった~(ジョジョ立ち・指差し)』みたいな。


ネガティブの原因は限定的視野?

なかなか局面を脱せない時や、鬱々とした気分が抜けない時は、自分が思っている以上に現実を狭く見てしまっていることがあります。実際、打てる手がない時も多いのですが、憂鬱な気持ちになるのは『これしかない』『こうするしかない』と限定的な視野になっている時に陥りがちだったりします。
口癖を言い換えるプロセスは、結構この限定的な視野に対して、考え直そうとする感覚に似ています。
現実を変えることが出来ないのが同じであれば、【逃げ場がない】という考えにとらわれるより、心がわずかにでも動いているぶん、狭苦しい感覚の解消には繋がりそうです。

連休明けや環境の変化、なんかモヤっとしたのが晴れない事が続いたら、ちょっとポジティブな口癖を意図的に挟んでみるのも楽しいかもしれません。


スポンサーリンク